「そのころ、世界は何色だろう」
「ダンスブリッジ2021」は、”そのころ、世界は何色だろう”と、踊る人、見るひとの橋を架け続けます。
明日の予測のつかないパンデミックの中で表現活動を続けるダンスの現場のドキュメントともいえる公演です。2021年の緊急事態宣言以来、
情け容赦なくその時の状況で、延期、中止、無観客と想像もしなかった環境でダンスも存在をかけた活動の中にあります。 数少ない観劇の機会に観客は、冒険するより安心でき満足できるものへと安定を求めているように感じます。コンテンポラリーダンスは答えのないクリエーションから生まれます。見るひとは新しい価値を見たいと集まり、評価は見るひとごとに異なり、劇場は多様性の受け皿の役割を担っていました。
新しい公演活動の在り方として定着してきたオンライン配信は、視覚的な価値とともに、観客限定の収入減の対処策としても機能しています。発信を続けると、観る機会に恵まれなかった地方からの喜びの声が届きます。
企画内容
「ダンスは新しいカタチを作り新しい世界を切り拓く、いまだ見えない未来に、持てる希望をもって新しい公演に臨む。」
7人の振付家それぞれが監修者として単独公演を企画、作品を探求します。作品提示により、観客個々とのかかわりを深め、「スキかキライか」「苦手意識を払拭」「ファンになる」など生な関係の構築を試みます。パンデミックという共通認識の中で得たものは多く、それぞれの思考が表出する作品時間を共有し、閉塞感からの脱却を図ります。
笠井瑞丈監修『霧の彼方へ』
昨年世界は未知のウイルスの扉を開けてしまい、世界はいま出口のない世界を彷徨い歩いている。
気づけば霧の中、遠くに僅か一点。
笠井叡を父として持つ笠井瑞丈。
この困難の世界に家族を引き連れ総出で新しい価値観の創出に向かいます。
日時
2021年
9月18日(土)19時
19日(日)13時/17時(オンラインあり)
構成演出:笠井瑞丈
振付出演:笠井叡、笠井瑞丈、笠井禮示、浅見裕子、上村なおか
テキスト出演:笠井久子 ピアノ:島岡多恵子
平原慎太郎監修『Too Enough Medium』
記憶を体に刻みながら生きる人間の、想起と習慣が交錯する肉体を表現する。
東京オリンピック開会式閉会式の振付を担当。
コンテンポラリーダンスの新たな活動の場を作った振付家が自身のカンパニーを新たな地平に立たせます。
日時
2021年
10月9日(土)19時
10日(日)13時/17時(オンラインあり)
振付・演出・アートワーク:平原慎太郎
出演:濱田純平、池上たっくん、大西彩瑛、村井玲美、堀川千夏
音楽:影井雅之
松本大樹監修『崖とピアノ』『その空のあおさに友は目を潤すU』
すべてのテクニックはそこに意識を注ぐ者に深い知恵と霊感を与え続けてくれる。
そのひらめきが取り込まれダンスのフィールドは前進し、一瞬一瞬を作る。
日時
2021年
10月16日(土)19時
17日(日)13時/17時(オンラインあり
振付;松本大樹、松崎えり
出演:松本大樹、松崎えり、キム・セジョン、坂田尚也
近藤良平監修『道』
フェデリコ・フェリーニの「道」からその”思い”を抽出し、ダンス作品の視点から等身大で向き合う。
過去から未来へ永遠のテーマである「絆」を探す旅である。
大劇場の芸術監督という役割を得ても、自身の実験の場として作品創作の継続は大事なことだと認識する近藤良平の、
人間の最小の関係性としてのデュオへの深い思いを形にします。
日時
2021年
11月6日(土)19時
7日(日)13時/17時(オンラインあり)
振付:近藤良平
出演:近藤良平、四戸由香
スズキ拓郎監修『踊る詩集「サーカス」』
『踊る絵本「きゃべつくん」「しょくたく」』
中原中也「山羊の歌」より。自分を羊ではなく気象のあらい山羊のようだとたとえ、本のタイトルにした中也の心。
ゆあーんゆよーんと揺れ動くさまが現在の不安と同調。
小説や絵本を独特な身体手法で作品化する力は独創的で新ジャンルを切り開いています。
その力が認められ、NHKEテレでも活躍するスズキ拓朗の3作品を一挙公開。
日時
2021年
11月13日(土)19時
14日(日)13時/17時(オンラインあり)
振付・構成・演出:スズキ拓朗
出演:@スズキ拓朗、小林らら、清水ゆり、ジョディ、ジントク、小野塚茉央、小辻太一
A増田ゆーこ
B小林らら、柏木俊彦、鳥越勇作(椿組)
マドモアゼル・シネマ『TOKYO そらの下で』
路傍のすみれ 夜空の虹
原発事故から10年目、予測のつかない10年後。コロナ禍の中生きる東京の女性たちの今日の物語。
記憶が蓄積した身体から生じる物語を紡ぎ続けるマドモアゼル・シネマ。
共にコロナ禍での活動の継続を体現します。
日時
2021年
12月18日(土)19時
19日(日)13時/17時(オンラインあり)
振付:伊藤直子
出演:マドモアゼル・シネマ
竹之下たまみ、蓮子奈津美、中島詩織、秋元麻友子、井上渚、村上優、鬼樫もも、鄭亜美
美術:くに若尾 衣装:原田松野
中村蓉監修『ノベルの衝動2』
(弁える美しさ)と(滲み出る激情)のはざまを縫うスリル。向田邦子没後40年。
物語を独自の身体手法で作る中村蓉が向田邦子作品『花の名前』に向き合います。
日時
2022年
2月27日(日)19:00(オンラインあり)
構成・演出・振付:中村蓉
出演:中村蓉 長谷川暢 和田美樹子
音楽協力:長谷川ミキ
スタッフ一覧
監修:伊藤直子、近藤良平、松本大樹、笠井瑞丈、平原慎太郎、スズキ拓郎、中村蓉 照明:石関美穂
音響:上田道崇、蓮子奈津美 舞台監督:蓮子奈津美、鍋島峻介
宣伝デザイン:石関美穂 宣伝映像:蓮子奈津美、秋元麻友子 制作:伊藤孝、鍋島峻介