セッションハウス・アワード 2018-アニュアルレポート2018

セッションハウス アニュアルレポート2018 チャレンジ賞 江上真子「Juliet」に決定!

セッションハウス・アワード2018 チャレンジ賞
江上真子「Juliet」に決定!

江上真子

 

2018年も“シアター21フェス″シリーズ等から「もう一度観たいダンス」として、選ばれた10組に「ダンス花アワード」に出演してもらいました。
今年の10作はパフォーマンス賞に値するものが並び、踊る姿勢に 感銘を受けるとともに、近年ダンサーのテクニック、作品の独自性など、レベルが上がってきたことを感じます。様々な価値観を見せるコ ンテンポラリーダンスは、何をもって“良し“とするかも不動ではない と考えます。過去の受賞者も、独自性、個人の資質、変革する力等そ の魅力は一様ではありません。選考することが難しいコンテンポラ リーダンスにあって、なぜ賞を選びたいか、私達は問い直すところか らもう一度作品に向き合うことにしました。
今年は、江上真子さんの「変容を試み、変貌を遂げた勇敢さ」に対して『チャレンジ賞』を授与。それはダンスを発展させる個人の資質であり、テクニックの上達だけではなし得ない試みであり、作業です。
勇敢さは変革者にとって大事な要素と信じ、これからの前進を期待して初めてチャレンジ賞を設けました。 ダンスで観客を楽しませたり、時代を視覚化して問題提起したり、ダンスのするべきことはたくさんあります。
ベスト賞は選考することが目的ではなく、今回のようになぜ選考するのかと問いかけてくるダンサー達との交感と感じます。これからも社会の中にダンスが満ちるよう力を合わせ行けたら何よりの喜びです。(伊藤直子)  

 

審査員:近藤良平、松本大樹、伊藤直子

 

〜受賞の言葉〜

 今回、「チャレンジ賞」をいただけて、身に余る光栄です。たまたま見かけた「悲劇のヒロイン症候群」というものに興味を持ち、そこからインスピレーションが湧き、創作していきました。
「Juliet」というタイトルで、シェイクスピアによる戯曲の「ロミオとジュリエット」を思い浮かべた方が多かったと思います。
私はまず、「ジュリエット」という名前から「美しい悲劇的なヒロイン」という概念を取っ払いたく、序盤からエンジン全開で動いていき、 お客さんには意外性を感じて頂きたいと思っていました。
今回、審査員の方々から「変容に試み、変貌を遂げた勇敢さ」というお言葉を頂きました。まさに求めていた評価とリンクしたように感じ嬉 しく思いました。もうしばらく 「Juliet」と付き合っていくので、更に進化させていきたいです。
これからも精進し、この賞に恥じないよう頑張ります。
江上真子

 

セッションハウスアニュアルレポート2018より抜粋
写真は2018年9月17日上演
セッションハウス・アワード ダンス花vol.30 江上真子作品『Juliet』

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