セッションハウス・アワード2014

セッションハウス・アワード ダンス花2014

セッションハウス・アワード2014
第3回セッションベスト賞
鈴木竜『Agnus』に決定しました。

池野惠評
まず観客を惹き付けるだけの魅力を持ったキャラクターで、コンテンポラリー・ダンス界では数少ないカリスマの1人だと思います。武道のような動きは明瞭ですが、作中語られる「夢」とテーマの「犠牲」との関係が今ひとつ不明につき、作品として少々物足りなさが残りました。しかしながら私の考える振付能力とは、自作自演ではなくヒトを踊らせてナンボ、と思っているのでこの点もクリアしています。昨年もことしも舞台で活躍の機会が広がっているとことでもあり、いま注目すべき舞踊家と言えましょう。

 

 

鈴木竜

鈴木竜『Agnus』


2014年のセッション・ベスト賞は鈴木竜『Agnus』に決定致しました。
『Agnus』は、2014年2月1日「ダンス花」公演にて、16時鈴木竜、19時赤澤かおりの、二人のダンサーにより踊られました。
授賞理由は、振付家本人の圧倒的なダンス力と、他ダンサー(赤澤かおり)が踊っても伝わる作品力、と二つの理由によるものです。

 

2014年の「ダンス花」参加作品は
2月公演@鈴木竜ATAGBチャムグループC中島加奈子Dブラバニ
9月公演@MaMaNiMaNiMaNiA四戸由香B木原浩太C仙田麻菜Dcombo×combo
以上10組がそれぞれに独自性のある作品を提示しました。

 

審査員は
池野惠(評論家)・近藤良平(振付家・ダンサー)・松本大樹(振付家・ダンサー)
伊藤孝(セッションハウス代表)伊藤直子(振付家・プログラム監修)
以上の5名がそれぞれの基準で選考、意見交換をし、最終決定を票決で致しました。
多様な価値観、多彩な作風が特徴のコンテンポラリーダンスですが、セッションハウスの基準としては
1、小スペースの特質を活かした他者に開かれたダンスか。
2、作品としてのオリジナリティと完成度は。
3、テクニックや身体性の特質等、魅力あるダンサーか。
等を考慮して選出いたします。

 

セッションハウス・プログラム監修 伊藤直子
今回も選考は難しく悩みました。ダンスは優劣を競うものではなく人の心に届ける芸術です。
この賞はダンスを社会に届けたいという願いから、その最前線で活動するダンサー達へのささやかな励ましとするものです。心動かすダンスを、ダンスを取り巻く関係者一同知恵を寄せ合い、創り、届けていきたいと願っています。
2015年から「ダンス花」を若手支援プロジェクトとして発展させていきます。出会いの入口となるシアター21フェスも記念の100回目を迎えました。ノンセレクトのこの企画からまた次年度のベスト賞が選出されることでしょう。2015年も新鮮な価値観を社会に提示し、未来を担うダンスの創出を皆様と共に目指します。これからもどうぞよろしくお願い致します。

 

鈴木竜

鈴木竜プロフィール
和歌山県出身。ジャズダンス、バレエを学び、2005年〜07年、名倉ジャズダンス・スタジオ・カンパニーに所属。 07年渡英しランベール・バレエ・コンテンポラリー・スクールに留学。在学中ランベール・ダンス・カンパニーの全英ツアーに参加。 卒業後フェニックス・ダンス・シアターに入団、主要メンバーの一人として活動。2012年に退団後、ロンド・オリンピック開会式にてアクラム・カーン振付セクションに参加。 帰国後、自らの作品を発表すべくSHEEPMANを結成。フリーランスダンサーとして夏木マリ、平山素子、小尻健太、キミホ・ハルバート、テロ・サーリネンらの作品や日韓英共同プロジェクトに参加するなど多彩な活動を展開している。


 

過去のセッションハウス・アワード受賞ダンサー

セッションハウス・アワード2012

第1回セッションベスト賞 中村蓉 『別れの詩』

 

セッションハウス・アワード2013

第2回セッションベスト賞 小暮香帆 『涙の球体』
セッション奨励賞 望月崇博

 

セッションハウス・アワード2014

第3回セッションベスト賞鈴木竜 『Agnus』

 

セッションハウス・アワード2015

観客賞 DEBEDEBE☆1号『ewig』
奨励賞 tantan『生きるために食う。』

 

セッションハウス・アワード2016

審査員賞 松本武士『―doko―』
観客賞 五十嵐結也『さよならともぢくん』

 

セッションハウス・アワード2017

セッションベスト賞 スッポンザル(小林利那・藤島美乃里)『鼈』

 

セッションハウス・アワード2018

チャレンジ賞 江上真子『Juliet』
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